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ー未来への投資ー

石)編集作業もご自身ですね。

 

勝)それがこのシリーズのコンセプトなので。去年本を出した時にも思いましたけど、今のうちにこういったことを経験しておくことの重要性があるんじゃないかと思っています。専門の方に頼んで録音してもらって、ミックスしてもらって、マスタリングしてもらって、プレスしてもらって、、のほうが確実に良いものは生まれるんでしょうけど、それらに対する私のかかわり方が問題なんですね。今まではそういう方々に頼りすぎていたところが多くて。今、次のオリジナルアルバムをずっと作っているんですけど、その本チャンRECの時にちゃんと指示が出せるようになりたいんです。そのためには、ある程度その分野についても理解しておかなきゃいけない。

 

石)どういう風に仕上げたいのかはご本人じゃないとわからないですしね。

 

勝)はい。だからって実際、コンプだ、EQだ、位相だ、って僕が言わないにしても、その楽器のどんな音を聴かせたい、とかそういうのは伝えられるようになりたいんですね。だから、歳時記(2013)を出した頃からいろいろ楽器も触っているんです。登場しませんでしたけど、去年は古いカシオトーンを買ったり、ライブ用の小さいPA卓を譲り受けたり。未来を考えた時、こうやって(今作を)作っていくことに意味があるんじゃないかと思っていました。

 

石)未来への投資につながると。

 

勝)それを町でやっている勉強会で修得するか、独学でやるか。どちらでも良いと思うんですけど、私の場合は自分でやるように追い込んでいったほうが切羽詰まってよかったかな。思い描くのは簡単なんだけど、それをなかなか形にできないことが続いて。音を小さくしたいのにできない、とか(笑 CDRに焼いては車で聴いたり、部屋のオーディオで聴いたり。夜中にウロウロしているものだから、家族はえっ?って感じだったと思います。

 

石)体で覚えていったかんじですか?

 

勝)遠回りですけど、よーくわかりましたね。あとは、自分の持っている知識・機材の限界もよーくわかりました(笑 やっぱり餅は餅屋だなと。

 

 わびすけから生まれた音楽2(3代先までレコード CPCA-012)

 

ー必要、、、ないかもしれない(笑ー
石)ですよね。でも、それも一つの経験ですよね。

 

勝)そうですね。何かやるときには、1つでいいから毎回チャレンジをいれようというのは、3人で(カウチポテト)をやっていたころからよく話していたんです。この歳になって、私自身、やってこなかったことがたくさんあるなぁって。それはよくわかる。だから36歳、伸び代はまだあるんじゃないかと(笑 やってこなかっただけなんですけどね(笑 まだまだなされるべきことはたくさんあると思っています。

 

石)twitterのつぶやきで、「今まではこだわらないようにしていた」と載せていましたよね。で、今回はとことんこだわったとも。

 

勝)偉そうに書いていますよね。音や出来栄えに何も影響しなかったり、むしろマイナスになってしまうけどやってしまいたいことを「こだわり」と私は定義していて、今まではこだわっている余裕も暇もなかったんです。でも、前回のシングルから6年経っていますけど、その間に色々聴いたり読んだり触れたりするなかで、次回はもっと色の強いもの、個性があっても良いかとおもったんですね。「歳時記」は少しですけどそういう要素が入っていた。ただ、それは意図的ではなく、たまたま結果的にそうだっただけで。でも、その時、これは一つの主張になると思った。

 

石)主張ですか。

 

勝)こういうものです、と道筋を示すものですね。あとはこだわりに費やす熱量が価値を持つような気もして。だから今回はいびつでもいいからこだわりを重視したかった。作品として優等生でいないようにしようと思ったんです。

 

石)「聴きやすかったり、まとまりがあるもの」じゃないもの、ですか。意外ですね。一聴しただけではそう感じませんでしたけど。

 

勝)一見、人当たりはよさそうな感じですけどね。でも、それがこだわりになるんじゃないかと思って。だからあえてミックスしたものを再度カセットテープに落とす作業を加えたり、自分でミックスしたり。そういうのって、優等生ではないですよね。万人向けではないというか。

 

石)音を汚くしているんですもんね。でもカセットテープの良さは昨今言われてはいますよね。

 

勝)えぇ。優等生ではないのは、つまり万人に良いと言ってもらえるものではないと思うので、カセットテープ、と聞いて「ひっかかる」人たちに手に取ってもらいたい気持ちもあります。

 

石)それが先ほど言っていた個性につながると。

 

勝)うん。意思表示にもなると思う。

 

石)話を聞くと、音源の方向性を明確にしたい、ということに見えます。

 

勝)そういうことかもしれないですね。そういうチャレンジが今作には含まれています。

 

石)でも最初に戻りますけど、そうすることが松月堂わびすけで流れる上で必要なんですかね?

 

勝)必要、、、ないかもしれない(笑 でもそうこだわる目的は耳なじみの良いもの、温かいものに仕上げたいからなので、最初に抱いたお店に馴染んでいないかんじをクリアする上で必要だったんじゃないかと信じたい。うん、そうだね。

 

石)そういう試行錯誤は楽しそうですね。

 

勝)楽しいですよー。自分のできることだけで何かをするのって楽しい。なんせ知恵を出しますからね。カセットデッキ、久しぶりに掃除しましたもん。綿棒で。今回、編集の最後の作業は夜中にしたんですけど。

 

石)集中できるからですか?

 

勝)というより、音が引き締まるような気がしたんですね。夜中に音楽を聴くと、テンポが速くなるような気がしません?

 

石)する?(笑

 

勝)昔からそれは思っていて、で、調べたら実際速くはなっていないけど周りが静かだから聴こえ方が違うとかなんとかで。誰かが論文に書いていました。じゃ、どうせなら夜中にやってみようと。それもこだわりなんですけどね。。

 

     音楽のテンポと既知感が時間判断に及ぼす影響について The Effect of Tempo and Acquaintance of Music on Time Judgement
     和歌山大学(前薗有輝・菅千索)/2016年

 

石)ながら聴きに最適だと言っていましたけど、それこそ本作の目指したところではないですか?。

 

勝)そうです。私が音楽を聴く時ってだいたい何かをしている時なんですね。運転しているとき、洗いものをしているとき、洗濯物を干したり畳んだりするとき。BGMってそういう時のための音楽で、普段聴いているものもどこか心地よいものが多かった。今作はわびすけで流すBGMだから、製作中もながら聴きしながらミックスしていきました。3代先までレコードで買えまけど、やっぱりまずはお店で聴いてもらいたいですね。お店のBGMというのもこの作品の持つ個性だと思います。

 

2020.9.13(杉並区/御殿場市)

 

カウチポテト『わびすけから生まれた音楽2』
CPCA-012 ¥1,000
2020.9.18より3代先までレコードにて発売
https://couchpo.stores.jp

 

 


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