2020/09

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ー未来への投資ー

石)編集作業もご自身ですね。

 

勝)それがこのシリーズのコンセプトなので。去年本を出した時にも思いましたけど、今のうちにこういったことを経験しておくことの重要性があるんじゃないかと思っています。専門の方に頼んで録音してもらって、ミックスしてもらって、マスタリングしてもらって、プレスしてもらって、、のほうが確実に良いものは生まれるんでしょうけど、それらに対する私のかかわり方が問題なんですね。今まではそういう方々に頼りすぎていたところが多くて。今、次のオリジナルアルバムをずっと作っているんですけど、その本チャンRECの時にちゃんと指示が出せるようになりたいんです。そのためには、ある程度その分野についても理解しておかなきゃいけない。

 

石)どういう風に仕上げたいのかはご本人じゃないとわからないですしね。

 

勝)はい。だからって実際、コンプだ、EQだ、位相だ、って僕が言わないにしても、その楽器のどんな音を聴かせたい、とかそういうのは伝えられるようになりたいんですね。だから、歳時記(2013)を出した頃からいろいろ楽器も触っているんです。登場しませんでしたけど、去年は古いカシオトーンを買ったり、ライブ用の小さいPA卓を譲り受けたり。未来を考えた時、こうやって(今作を)作っていくことに意味があるんじゃないかと思っていました。

 

石)未来への投資につながると。

 

勝)それを町でやっている勉強会で修得するか、独学でやるか。どちらでも良いと思うんですけど、私の場合は自分でやるように追い込んでいったほうが切羽詰まってよかったかな。思い描くのは簡単なんだけど、それをなかなか形にできないことが続いて。音を小さくしたいのにできない、とか(笑 CDRに焼いては車で聴いたり、部屋のオーディオで聴いたり。夜中にウロウロしているものだから、家族はえっ?って感じだったと思います。

 

石)体で覚えていったかんじですか?

 

勝)遠回りですけど、よーくわかりましたね。あとは、自分の持っている知識・機材の限界もよーくわかりました(笑 やっぱり餅は餅屋だなと。

 

 わびすけから生まれた音楽2(3代先までレコード CPCA-012)

 

ー必要、、、ないかもしれない(笑ー
石)ですよね。でも、それも一つの経験ですよね。

 

勝)そうですね。何かやるときには、1つでいいから毎回チャレンジをいれようというのは、3人で(カウチポテト)をやっていたころからよく話していたんです。この歳になって、私自身、やってこなかったことがたくさんあるなぁって。それはよくわかる。だから36歳、伸び代はまだあるんじゃないかと(笑 やってこなかっただけなんですけどね(笑 まだまだなされるべきことはたくさんあると思っています。

 

石)twitterのつぶやきで、「今まではこだわらないようにしていた」と載せていましたよね。で、今回はとことんこだわったとも。

 

勝)偉そうに書いていますよね。音や出来栄えに何も影響しなかったり、むしろマイナスになってしまうけどやってしまいたいことを「こだわり」と私は定義していて、今まではこだわっている余裕も暇もなかったんです。でも、前回のシングルから6年経っていますけど、その間に色々聴いたり読んだり触れたりするなかで、次回はもっと色の強いもの、個性があっても良いかとおもったんですね。「歳時記」は少しですけどそういう要素が入っていた。ただ、それは意図的ではなく、たまたま結果的にそうだっただけで。でも、その時、これは一つの主張になると思った。

 

石)主張ですか。

 

勝)こういうものです、と道筋を示すものですね。あとはこだわりに費やす熱量が価値を持つような気もして。だから今回はいびつでもいいからこだわりを重視したかった。作品として優等生でいないようにしようと思ったんです。

 

石)「聴きやすかったり、まとまりがあるもの」じゃないもの、ですか。意外ですね。一聴しただけではそう感じませんでしたけど。

 

勝)一見、人当たりはよさそうな感じですけどね。でも、それがこだわりになるんじゃないかと思って。だからあえてミックスしたものを再度カセットテープに落とす作業を加えたり、自分でミックスしたり。そういうのって、優等生ではないですよね。万人向けではないというか。

 

石)音を汚くしているんですもんね。でもカセットテープの良さは昨今言われてはいますよね。

 

勝)えぇ。優等生ではないのは、つまり万人に良いと言ってもらえるものではないと思うので、カセットテープ、と聞いて「ひっかかる」人たちに手に取ってもらいたい気持ちもあります。

 

石)それが先ほど言っていた個性につながると。

 

勝)うん。意思表示にもなると思う。

 

石)話を聞くと、音源の方向性を明確にしたい、ということに見えます。

 

勝)そういうことかもしれないですね。そういうチャレンジが今作には含まれています。

 

石)でも最初に戻りますけど、そうすることが松月堂わびすけで流れる上で必要なんですかね?

 

勝)必要、、、ないかもしれない(笑 でもそうこだわる目的は耳なじみの良いもの、温かいものに仕上げたいからなので、最初に抱いたお店に馴染んでいないかんじをクリアする上で必要だったんじゃないかと信じたい。うん、そうだね。

 

石)そういう試行錯誤は楽しそうですね。

 

勝)楽しいですよー。自分のできることだけで何かをするのって楽しい。なんせ知恵を出しますからね。カセットデッキ、久しぶりに掃除しましたもん。綿棒で。今回、編集の最後の作業は夜中にしたんですけど。

 

石)集中できるからですか?

 

勝)というより、音が引き締まるような気がしたんですね。夜中に音楽を聴くと、テンポが速くなるような気がしません?

 

石)する?(笑

 

勝)昔からそれは思っていて、で、調べたら実際速くはなっていないけど周りが静かだから聴こえ方が違うとかなんとかで。誰かが論文に書いていました。じゃ、どうせなら夜中にやってみようと。それもこだわりなんですけどね。。

 

     音楽のテンポと既知感が時間判断に及ぼす影響について The Effect of Tempo and Acquaintance of Music on Time Judgement
     和歌山大学(前薗有輝・菅千索)/2016年

 

石)ながら聴きに最適だと言っていましたけど、それこそ本作の目指したところではないですか?。

 

勝)そうです。私が音楽を聴く時ってだいたい何かをしている時なんですね。運転しているとき、洗いものをしているとき、洗濯物を干したり畳んだりするとき。BGMってそういう時のための音楽で、普段聴いているものもどこか心地よいものが多かった。今作はわびすけで流すBGMだから、製作中もながら聴きしながらミックスしていきました。3代先までレコードで買えまけど、やっぱりまずはお店で聴いてもらいたいですね。お店のBGMというのもこの作品の持つ個性だと思います。

 

2020.9.13(杉並区/御殿場市)

 

カウチポテト『わびすけから生まれた音楽2』
CPCA-012 ¥1,000
2020.9.18より3代先までレコードにて発売
https://couchpo.stores.jp

 

 


聞き手:石塚博史

文字起こし:勝又勇旭

ーーーーーーーーーーーー

 

ー2つの違和感ー

勝又(以下勝)まず今日は人間ドックの結果が出た日でして。

 

石塚(以下石)はぁ。

 

勝)去年は肥満気味ですと言われたんですね。でも今年の結果を見て、先生から「これは肥満だと断言できます」と言われたんです。断言という言葉の重みがすごくて。

 

石)笑

 

勝)しかも横に立っていた看護師のおばさんも何故かうなずいているんですね。うん、うん、って。

 

石)火を見るよりも明らかだったわけだ。確かに画面で見てもぷっくりしているのがわかりますね。※リモートインタビューです

 

勝)えぇ。だからこの場を借りてウォーキングすることを宣言したいなと思いました。

 

石)断言すると。

 

勝)そうです(笑 断言します。

 

 

石)ではインタビューしますね。「わびすけから生まれた音楽2」がリリースされます。私は製作段階で少し聴かせてもらっていましたね。このタイミングで作ろうとなったきっかけはなんだったんですか?

 

勝)まず第1弾(わびすけから生まれた音楽「ご自宅用ですか?手土産用ですか?」)を出したのが2014年で、松月堂わびすけでは今も毎日この4曲を掛けてくださっているんですね。

 

  松月堂わびすけ ・ 自家製こおり氷伝-こでん TEL 0466ー22ー3352

 

  これはスタッフの皆さんがつらいんじゃないかとずっと思っていたんです。ずっと同じ4曲で。そう思いながらも次につながる良いアイデアが出てこなかったので、ずっと気になっていて。

 

石)モヤモヤしていたんだ。

 

勝)それから、流れている店内に行ったときに、お店になじんでいない気がずっとしていて、それもずっと気がかりだったんです。

 

石)2つの違和感があった。

 

勝)はい。で、後者はミックスの技術によるものだと気づいたんですね。今年の5月にバンドでテレワークセッションをして

 (「あの街」「アルゴリズム」の2曲。カウチポテトチャンネル(YouTubeで公開中))、

その時にミックスを自分でやったことで、今なら既存の4曲ももっと聞きやすくなるようになるんじゃないかと思ったんです。技術の向上も大きなポイントになった。

 

石)つまり、コロナ禍がここにもつながっていると。

 

勝)はい。そうでしょうね。で、最初の4曲をミックスし直すなら、他にも作って第2弾としてお店で流してもらおうと思ったんです。そうすればずっと4曲エンドレスではなくなるでしょう?

 

石)そうですね。それはいつ頃の話ですか?

 

勝)5月ですね。テレワークの2曲をやりながら思いました。でもシェフには言わなかったんです

 

石)それは何か理由が?

 

勝)今回はサプライズが良いんじゃないかなって。それに販売することは最初考えていなかったんです。そもそも前回はシェフからの提案から始まっているので。この違いは私の中でけっこう大きかったんです。

 

石)自発的にやるんだっていうこと?

 

勝)うん。どちらかというと前作はお店からの提供というイメージだったんです。わびすけの商品として並ぶイメージ。「わびすけからの音楽」というイメージで作りました。


石)前回のインタビュー(2014)でもそう言っていましたね。

 

わびすけから生まれた音楽、『ご自宅用ですか?お土産用ですか?』完成インタビュー


勝)でも今回はその逆で、わびすけに買いものに行く人、スタッフのみんなに会いに行こうとする人から見たお店のイメージを思い浮かべて書いていきました。わびすけに纏わるストーリーってきっとみんな持っているだろうなと思いまして。だから、「わびすけへの音楽」なんです。作り方が大きく違う。そういう作り方をしたのは、きっと自分の生活環境も変わって、なかなかお店に行けなくなったからもあると思うんですね。だから前作みたいに、製作途中でシェフに聴いてもらったりもしなかったんです。

 

石)そしてサプライズすると。

 

勝)そう。最初はシンプルにわびすけのみなさんへのギフトだと位置づけていたんです。録音終盤の時に確認したいことがあって、その時初めてシェフには話したんですけどね。近々持っていきますと最後に伝えて。

 

 

ー銀行との闘いー

石)結果、ふたを開けてみたら12曲。すごいボリュームですね。

 

勝)最初は新曲を5曲くらいと思っていたんですが、第1弾の4曲を入れて並べていくうちに、アルバムとして聴かせたいなぁと思うようになり、販売も視野に入れて足りない曲を増やしていきました。自分のアルバムでも12曲(入りのアルバム)は作れないと思う。

 

石)それはやっぱり全部自分でやる手軽さからですか?

 

勝)そうですね。自分が頑張ればなんとかなりますので。

 

石)フォークギターを使った作品作りという点では前作と同じですが、大きく違うのは、インストが入ったり、ドラムが入ったり、他のプレイヤーに参加してもらったりしているところです。

 

勝)ドラム録りはずっとしたかったんです。これもテレワークで基本の録り方を習得したので、実践しました。大変なのは、自分でRECボタンを押して、叩いて、自分で(RECボタンを)止めるというところですね。大きなタイムロスが生まれます(笑 他の演奏者に頼んだのは、とてもシンプルな理由で、自分では弾けないからです。もし弾けたとしても、あの人のほうがもっと豊かな演奏をされていたよなぁと。それで、あの人にあの楽器を弾いてもらいたい!ということにつながる。

 

石)録音も自宅で一人でやられていますよね。演奏を依頼した方にも自宅へ来てもらったんですか?

 

勝)いや、メールや電話でお願いして、あとはメールのやりとりでやりました。テレワークですね。家を出たのはドラム録りくらいかな。一度、ジモティーでドラムを見つけて、安く譲ってもらおうかとも思ったんですけど、置く場所がないし、そもそも叩いてよい場所もないので、諦めました。

石)では自宅録音とは言っても防音しているわけではない。

 

勝)えぇ。普通の居間でやりました。ただ、近所の銀行が建替えをしていて、夏のあいだ、昼間はガンガン音を出していたんですね。セミとか、車とか、ある程度の音は一緒に入っても良かったんですけど、さすがにハツってる音は困りました。私も録音する日が限られていたのでその間中断するわけにもいかなくて。「3代先まで」にはその工事の音がけっこう入っています。

 

石)いつも一緒にやっている秋山(祐:Ba)君や清水(亮:Dr)君が参加していないのも新鮮ですね。

勝)そうですね。やっぱり私が曲を作るとなると、ベースは祐君が弾くフレーズ、ドラムは亮くんが叩くフレーズが頭に浮かぶんですね。今回は自分でドラムやベースも弾きましたけど、それはつまり二人の演奏につながっているような気もする。でもきっと二人はこんなんじゃないよーって言うでしょうけど(笑

 

後編へつづく

 

 

 


ひさしぶりの更新。
このコラムは月に2回、1日と15日に更新するようにしてきたが、
ここ数年、特に「いいとこ饅頭」をまとめている中で
そもそもの指針である「いつ読み返してもおもしろいもの」を更新できているのか疑問になり、
ある時から更新を控えてきた。
色々な方にテーマをもらったり、
過去のコラムを再掲したり、
してみたが、
いつしか締め切りに間に合わせるように書くことが増えたわけです。
それはよくない。と思って、
しばらくほったらかしていたのだが、
このたび、ホームページやらを新しくするにあたり(やろうと思ってから何年も経ったんだ?)
過去のコラムを読み返したりして、
ここ(yuki-s think tank)でしかできないこともあるなぁと気づいたのだ。
ある方が、音楽を聴きすぎて不感症になったときがあったと言っていて、
別にたくさん本を読んでいるわけではないが、それもわかるなぁと思った。
私の場合、書きすぎて、考えすぎて、いろいろなものをインプットすることを怠っていた感じである。
久しぶりに読んだコラムには、ほほう、と気づくものもあり、
また、なんとなく気になって携帯に残していたメモのアウトプットも
ここに当てはめるものだったのだなぁと気づいたのだ。
まずは、ということで過去に石塚さんに受けたインタビューを二つ載せた。
インタビューはするのもおもしろいし、されるのもおもしろい。
でも、それは主導権を自分が持っている時だと思う。
石塚さんには身をゆだねてインタビューしてもらった。
とても楽しかった記録である。
そんなこともあり、久しぶりの更新になったのだが、
20代のころのようになかなか時間もないため、
月2回の定期更新ではなく、これからは私がパソコンの前に座れたタイミングで
更新していこうと思う。
2020年2月

JUGEMテーマ:春の楽しみ


2019/2/8

聴き手:石塚博史

場 所:町田市

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

石塚(以降石):前作(シングル:「わびすけから生まれた音楽」)から4年が経ちました。

Facebookで見る限り自宅レコーディングは続けているようでしたけど、出来上がったのは小説でしたね。びっくりしました。


勝又(以降勝):そうですよね。なんで?と言われます(笑


石:今回、本を出そうと思ったきっかけから聞いていきましょう。


勝:「歳時記」※2013年:2枚目のアルバム を作っている頃から感じていたんですが、周りがみんな30歳を迎える頃で、

自然とそれぞれの生き方を示し始めるようになっていったんです。僕も同じで、子供ができたり、御殿場に戻ったりと、

自分の生き方を決め始めていました。そうすると、バンドで集まって活動する時間も調整が難しくなるだろうし、

そもそも自分の時間を確保することも難しくなってくるだろうな、とその頃からなんとなく予感していて。


石:実際、どうでした?


勝:まさにそうなりましたね(笑 そりゃそうです。当たり前の話なんですけど、子育てという今までは一切なかったことを

行うんですから。一日の中でその時間を確保するためには何かを削らなければならない。となれば、自分のことを後回しに

しますよね。湯呑でコーヒー飲むことだって抵抗がなくなるわけです。飲めているんだから良しとしよう、と。

いや別にそれが嫌なんじゃなくて、そのカオスが楽しいんだけれども。


石:わかります。


勝:それと同時に思ったことがあって。特に次男が産まれて気づいたんですが、子供の成長において、産まれてからの

10年はものすごく大事なんじゃないかと思ったんです。成長も目まぐるしいし、親は最初に触れ合う人間ですから、

こんなにありがたいことはない。それにしばらくすれば、兄弟で遊びだすだろうし、どこか一緒に行こうと言っても、

行かないと言われるようになるだろうし。そう思った時に、棹(ギター)持ってスタジオに籠っていていいのか?という気持ちも

出てきました。自分の時間は作るものですが、作りたいっていうより、他にやることを見つけたっていう気づきですね。

これはまったく新しい感覚。


石:アルバムのプロデュースじゃなく、子供のプロデュースですか。


勝:はい(笑 そういう意味では、自分の活動史の中ではある意味ここ最近が一番の危機だったかも。何しろやる気が小さくなって

いたので(笑 それでも、なんとか創作活動できる方法はないかと考えて、文筆活動を決めたんです。まず、外(スタジオやライブ

ハウス)に行かなくてもできるじゃないですか。それに書くのは基本的に一人でやる作業だから、時間も作れるんじゃないかと、

なんとなく考えて。


石:安直な。。。それで、本にしようと思うのもすごい(笑

 

勝:文章は好きで、コラムをずっと書いていたし、音楽も文章も長く続けたいとずっと思っていたから、選択肢としてはずっと

持っていました。で、長く続けるためには、ここらで一回ちゃんと製本して本に仕上げることも経験しておきたかったんですね。

音楽のほうはなんとなく流れがわかっていたので。ほら、ゲーテも経験が大事だって言っていませんでしたっけ?


石:「真の知識は経験あるのみ」ですね。そもそも小説は書きたかったんですか?


勝:書きたい!っていう大きな気持ちはなかった、というと元も子もないんですが(笑、もの書きを名乗った時に、小説家じゃない

の?と言われそうだなというのと、自分はエッセイストっていうかんじでもないなーという感覚があって、そのモヤっとした感じが

あって。


石:何かと肩書きを気にしますよね、いつも(笑


勝:そうかも(笑 で、これも長く続けるなら小説を書けたほうがいいんじゃないかと思って、書き始めたんです。

決して書きたくて、吐き出したくてウズウズしていたっていうきっかけではない(笑 でも、全然書けなかったんです。


石:書けないですよねぇ。


勝:甘かったですよねぇ。。書き出しからどうしたらよいかわからなかったんです。一文字も書けない。そこで、物語を創作する

練習として、とりあえず嘘日記を始めました。毎日150字で文章を作って、千日やれば何か見えてくるだろうという、根性論でし

かない感じ(笑


石:沿線日記(twitterで今も更新中)ですね。これ、嘘日記だと途中で私も知りました。


勝:本当か嘘かわからないっていう、最初はそこがおもしろいんじゃないかと思って、嘘日記だとはあえて言わなかったんです。

ただ、書いているうちに、嘘と定義する上でつぶやいていくほうがおもしろいと気づきました。どんなに感動することがあっても、

かなしいことがあっても書いたところで嘘になってしまう。どんなことも淡々と記録されていくだけ。そこが面白くて。嘘であるこ

との儚さ、無常がこの日記の一番のポイントなんです。

 

石:でも、そうやって鍛えながらも、できあがった今回の短編はフィクションですよね。しっかりと心が入っているように

思えました。そういえば前にコラム(yuki-s think tank)で、沿線日記を始めたきっかけは、消え去ってしまうものを書きたいと

書いていたような。


勝:そうです。その気持ちもありました。刹那的なもの、忘れていってよいものをやってみたかった。使い捨てたいという欲求と

いうか。だから、心に残らないもにしたかったんです。


石:だけど、今回、本にしちゃった。


勝:そう(笑 いや、そこは僕も引っかかりましたけど(笑 あくまで「いいとこ饅頭」の主役は短編なので、箸休めで日記を入れた

感じです。振り返ってみると、なかなかおもしろいものもあって、ほんのわずかですが、入れました。


石:では肝心の短編の中身についてですけど、バンドの1stみたいな荒削感がありますね。


勝:そうそう、くるりの「ファンデリア」みたいな、カウチ(ポテト)でいうところの「ブラシの揺れる音」みたいな。

出てくるフレーズがどこかみな似ていたり、不器用だったり、でも勢いはある、という感じになっていますよね。そうならないよう

にたくさん推敲したんですが、結局技術がカバーできなかった。だから、読みにくいところはそのままになっちゃっています。

 

石:「統治所」は、考えることを忘れた未来の人間の話ですね。あとはさるかに合戦のその後の話には、それぞれが正義について

語っています。今までのカウチポテトには無い分野じゃないですか。社会的な印象を持ちました。


勝:あまり意識していなかったです。大人になって、親になって、それなりに社会に対して思うこともありますけど、それを作品に

入れようとはあまり思わないですね。


石:一人で作るとはいっても、表紙絵や解説など色々な人がかかわっていますよね。


勝:小説を書くことって、音楽以上に一人で進めることが多い。今までのzineもすべで自分でやってきました。

でも、さっきも言いましたが、今回は一つ区切りというか、スタート地点に立つ必要があったので、音楽と同じく、出来る限り

完成までいろいろな人の手を入れたかった。校閲する人はいなかったんですけど(笑 表紙絵や解説、そして製本までを人と進める

ことでもっと良いものになると思ったんですね。人とすすめることって大変ですが、そのめんどくささが価値になっていくと思う。


石:表紙絵は静岡在住のこがめさちさんですね。そして、題字は小池なつみさん。


勝:こがめさんは今作で初めて出会えた方なんですが、すごく温かい絵を描かれる方です。実際はもっと色々なタイプの絵を

描ける方で。イメージを伝えて、それを提案していただく時も必ず何パターンか描いてくださって。さすがプロだなと思いました。

なっちゃん(小池なつみさん)はほんと多才で、字もなっちゃんらしさが出ている。それに彼女は文章も素晴らしいんです。

選ぶ言葉が凛としていて、説得力があります。


石:解説にはライターの下村花さんと御殿場リンコロのオーナーですね。


勝:花さんは一回り以上歳が離れているんですが、ライターという、言葉を武器に自己表現をする数少ない友人の一人です。

解説は初めてとおっしゃっていたので、おじさんとしては、次につながるきっかけや経験を彼女に作れたらと思い、お願いし

ました。思えば、僕も周りの大人にそういうチャンスを戴いていたかもしれないなと思って。花さんはカウチポテトのことを

知らないと思ったので、タカさんの解説とはまた違うアプローチになるかと思いました。タカさんの文章も素敵ですよね。

いろいろなことを経験した大人の男性だから出せるものがあるんじゃないかと。結果、素晴らしい文章をいただきました。


石)藤原印刷には実際行かれたそうですね。


勝)夏に打ち合わせで伺って、工場の中まで見せていただきました。依頼主の意向をどれだけ汲み取り、形にできるか。

僕はそれが仕事をする上で重要なんじゃないかと思うのですが、その点で竹内さんと潤くんは素晴らしかったな。竹内さんとは

初めてでしたが、話をしていたら相当な音楽マニアであることがわかり、あー、また出会っちゃったなと(笑


石)本づくりをする中で大事にしたことを教えてください。


勝)うーん。(しばらく考える)音楽は流せば嫌でも耳に入りますよね。絵も見れば嫌でも目に入る。でも文章は、唯一受け手が

読み進め、ページをめくらないと進まないものだと思うんです。だから、読み続けさせるにはどうしたらよいかはよく考えて

いました。あとは、規模や内容は違えど文章を書くことって誰でもできるじゃないですか。その上で売り物を作ることのハードルの

高さを知りました。もう走り始めていた時でしたけど。


石)実際、本が発売になって、周りの反応はどうですか?


勝)まさに賛否両論という感じです。ありがたいことだと思います。


石)最初に訊けばよかったのですが、いいとこ饅頭とはどういう意味ですか?


勝)静岡の言葉じゃないかと思います。それも今は使われていない言葉です。主に親が子供に特定の場所をはぐらかして言う

言葉で、おもちゃ屋とかデパートとか子供のテンションを過度に上げすぎないために使ったり、子供が羨ましく思わないように

はぐらかす時に使うんですね。ちゃんと饅頭まで言います。


石)どこか良いところ。それでユートピアですか。ああ、つまりタイトル作の「いいとこ饅頭」だけじゃなくて日記や他の話も

どこか良いところで起きている話ということでしょうか。


勝)なるほど。うまくまとまってますね(笑 それ、使いましょう。私の言葉にしておいてください(笑


石)では最後に、次回作はどう考えていますか?


勝)本ですか?なんとなく考えているのは架空の機内誌を作りたいなと。プレイリストを載せたり、コラムを載せたり、私以外の

方にも文を書いてもらったり。少ないページ数でよいのでシリーズ化したい。


石)zineぽいですね。勝又君の動きを見ていると、周りとはもまた違いますね。カウチポテトを知るきっかけになった備前守や、

紹介した原田茶飯事さん達も独自の活動をされていますが、文筆との二刀流はいないですね。ただ、やはり普通の文筆家という

かんじでもないですね。


勝)でもとりあえずはカウチ(ポテト)ですよ。アルバム。一昨年に出すはずだったので(笑  20周年(2023年)を目標に

少しずつやっていくしかない。


石)録り貯めていくと。


勝)うん。いや、お金を積み立てていかないと(笑 そういう点でも2023年までかかるでしょう。 終

 

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JUGEMテーマ:興味深い話題・出来事など

 


聞き手:石塚博史

場 所:小田原市

 

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石塚博史(以降:石)枯木浪漫2を作ってから1年たちそうですね

 

勝又(以降:勝)そうですね

 

石)去年が一区切りあったじゃないですか。10年ていう。これからどうなるんだろう!?みたいなね。

でも案の定11年目はのんびりですね。

 

勝)案の定って(笑

 

石)そうなるかなって思っていたの。出し尽くして翌年は余韻にひたるみたいな。

 

勝)アルバム出したし、ゆっくり売るかみたいな?

 

石)そうそう。でも、それでツアーとかやるのもカウチポテトらしくないよね。今年、ライブは2本?

 

勝)そうです。

 

石)強気だねぇ(笑

 

勝)いやいや、だからね、まだ(アルバムが)たくさん残ってる(笑

 

石)ワンマンはいかがでした?

 

勝)それはもう、貴重な経験をさせてもらいましたよ。構想に時間かけましたし。

 

石)東京と静岡の2か所でっていうのもポイントですよね。

 

勝)そうです。やっと東京でワンマンできるかなって。ワンマンを考えるようになったのは「ふだんぎの〜」のレコ発くらいで。

その後、あぶぅさんと2マンをやって。徐々にワンマンに近づけていきました。

 

石)お客さんの入り方を見ていると東京でもいけると。それは私も思いましたけど、結果として今回(ワンマン)、

あんまり(客が)入らなかったよね?

 

勝)(大笑)いやー、、するどい。そうなんです。入らなかったよね(笑 これはね、告知の仕方を失敗したんですよ。

張り切り過ぎた、っていう言い訳を(笑

 

石)でも、東京はほんと最近のお客さんが多くて。

 

勝)そうですね。昔から見てくれていた方々も結構東京にいるんですけどね。だから、東京で昔の曲もやるわけじゃないですか。

それが新曲に聴こえているっていう微妙な状況(笑)

 

石)昔から見ている人からすれば感慨深いでしょうね。コアな人から見たら。それはカウチのライブを見ているとよく思う。

 

勝)見る方がどういう心位置にね、いるかによるんですよ。そこの差はやっぱりありますよね。

 

石)静岡もお涙ちょうだい、みたいにはならなかったしね。以外にさらっとしていて。でも雰囲気は静岡のほうがアットホームだったような気がする。

 

勝)それはそうかも。僕もね、地域性というか、静岡の人です!っていうのを推さないじゃないですか。

御殿場の出身です、とは思っていても、活動のホームタウンがどこかはわからないだろうし。それが結果的にね、

言ってしまえばどこでやっても新鮮にできるんですよ。逆に言えば、帰る場所がない?まぁ、帰る場所は求めてないんだけど。

 

石)メンバーやスタッフのみなさんは何か言っていましたか?

 

勝)みんないつもどおりでしたよ。それがよかったんだと思います。当日、トラブルもありましたけど、まぁ、そういうものは

毎回あるので。ただね、みんな打ち上げではリラックスしていたな。自分も打ち上げ会場はしっかり探しました。

どうせならいいとこでやろう、と。

 

石)どこに行ったんですか?

 

勝)東京は炉辺焼きで、池袋の。三島はイタリアンでした。祐君はその後も仕事だから、両方とも参加できなかったんだけど。

すごいよね。二十数曲やって、夜からまた50曲くらいやるわけでしょう。

 

石)亮君は何か言っていましたか?

 

勝)いろいろあったよねぇとは話しましたけど。あとはね、三島の打ち上げでは珍しく酔っ払っていた。

きっとずっと心配してくれていたんだと思うんです。ほっとしてくれたんじゃないかな。

 

石)一年の千秋楽ですからね。ライブの最後に新曲を用意しているところは相変わらずだなと思いました。

曲名は「あせみず」ですよね。

 

勝)はい。これからの指針というかね、見せないといかんと思って。

 

石)それが今回のシングル「ご自宅用ですか?お土産用ですか?」につながる、と。

 

勝)うーん、どうだろう。 去年からね、この(シングルの)話はあったので。それにこれはね、ある意味イレギュラーというか、

企画盤なんですよ。

 

石)カウチではない?

 

勝)カウチなんだけどね。コラボレートとは言うけれど、やっぱりどちらかに(方向を)寄せると思うんですよ。

この話が来たときに、僕はまっさきにこのCDがお店に並ぶのを想像して。お店で売られているものの一つになりたい、と

思ったんです。僕というかカウチポテトが我を主張するよりも、わびすけの一つの商品としてそこに並んでいるほうがいいと

思ったんです。

 

石)それはなぜですか?

 

勝)単純にわびすけの商品が好きだからです。

 

石)あ〜。不安とかはないんですか?

 

勝)ないですよ。たしかに曲や楽器は違いますけど、自分で曲を書いて、アレンジして、演奏すると、どうしたって

カウチポテトになるんですよね。

 

石)そこまでたどり着いた、と。

 

勝)どうでしょうか(笑 またこれか〜みたいな。たとえば、スライ(&ザファミリーストン)みたいなのを作りたいと

思ってやっても、スライにはならないんですよ。くるりみたいにと思ってもくるりにはならない。

たった10年かもしれないですけど、自分がやるとどうなるかはなんとなくわかった気はします。

 

石)どんな形態でもカウチポテトを表現できるようになったと。

 

勝)もちろん!本人ですから。

 

石)それがね、できていない時もあったと思うよ

 

勝)大笑)そうですね。それならありがたいね。

 

石)おもしろいなと思ったのは、同じアコースティックでも、質感が前に出した『富士山』とはまた違っているな、と。

むしろ『歳時記』に近くて。

 

勝)それは(こいけ)じゅんくんも言ってくれていました。やっていることは『富士山』のほうが近いのかもしれないですけどね。

表現したいことと表現できることが前より高くなってきているとは思う。

 

石)一人でやってもカウチポテトを表現できるってことにもなる。

 

勝)それはそうでしょう!(笑 だって本人ですから。

 

石)いやいや、それがね、できていない時代もあったと思うよ。

 

勝)そうですか(大笑 それならありがたいね。

 

石)でも、今作はイレギュラーなわけでしょ?じゃ、レギュラーはどうなるんですか?曲とか。

 

勝)曲はね今年初めから作っていますよ。やりたいこともはっきりしているので。

 

石)言い切るねぇ。では地下活動はずっとしていると。

 

勝)そうです。家族が見たら、ただぼーっとしているだけじゃないかと言われるかもしれないけど。車乗っているだけなのに、洗濯しているだけなのに、エアドラムやっているだけなのに、それで作っているの!?みたいな。

 

石)生活の中にヒントがあると。

 

勝)すべてを掴めてはいないんですが(笑 でもね、11年目に入って、30代に入ったわけですよ。そうなると、ここでぐいっと

周りより先に出ないといけないと思うんですよ。これから先の5年10年の中で、はたしてバンドできるのかと考えると、

先輩も皆ゆっくりになっていますから。僕もそういうものだと思うんだけど、それでも作品は出し続けていないと、

周りがみなそうなってくるから埋もれちゃうわけですよ。そこでね、さらっと新しいものを出していける余裕がほしいわけです。

あぶぅさんにしても、アオケンさんにしても、それをやってのけているわけで。何かと強いですから。

もうちょっと先に行っておきたい。

 

石)あ〜そこまで考えているんだ。やっぱりね、勝又君はまじめだと思いますよ。生き方というより音楽に対してね。

で、どんなものを思い描いているんですか?

 

勝)あまりスタイルに固執しないということかな。

 

石)それでいいの?(笑)自分のスタイルが決まってきたと言っていたじゃない。

 

勝)大丈夫、大丈夫。これから先が、楽しみです。

 

最後に出た自分のスタイルにとらわれない、ということは、何をやっても大丈夫なんだという確信がでてきたからだろう。

すこしばかり頑固になったカウチポテトの今後にも期待したい。

 

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ハイスタンダード。

高校1年の夏に「MAKING THE ROAD」が発売になった。

その頃、日本で起きていた、パンク/メロコア/青春パンクのブームの波は

そのあと少しで最高潮に達することになる。

そういう僕も発売日にMAKING THE ROADを買った。

深夜の音楽番組で「STAY GOLD」のPVが流れ、心躍った。

放課後、校内を歩いていると、上のほうの部室から

New lifeやらplease please pleaseやらを弾くバンドの音が毎日聴こえていた。

Pizza of deathTシャツはステータスで、

白いYシャツの下にこぞって着ていた。

文化祭にはコピーバンドが乱立し、

高校3年の夏まで、毎年、みんなハイスタを演奏していた。

 

高校3年の秋ごろになるか。

洗濯洗剤のCMでモンゴル800が流れると、

学内の旬はモンパチに変わった。

モンゴル800を聴いているやつ、知っているやつがトレンディーになった。

と同時に、ハイスタは古い、というような風潮が出始めたのだ。

 

その風潮は日に日に表へ現れ始め、

高校3年の卒業ライブでは、みなこぞってモンパチをやっていた。

誰かがMCで、「あいつハイスタとかやってたよな」と言っていて、

言われた方は恥ずかしいような顔をしていた。

ハイスタがなぜ恥ずかしいのか。

その時、少し違和感を持ったのを覚えている。

だって、みんなレスポールのPUセレクターにガムテープ貼ってたじゃん。

寒いプールの日に、震えながら意味もなくSATURDAY NIGHTをなぜか歌ってたじゃん。

だが、その場ではハイスタが過去の産物になっていた。

客席の後ろのほうにいた僕から見て、

フロアにいた客のTシャツにpizza of deathはなかった。

 

 

東日本大震災があり、ハイスタの3人がメッセージを配信した。

その行動はどんどん大きくなっていき、

AIR JAMCDとなって私たちのところに発信されている。

その姿を見て、あの3人なら日本を変えられる、と思った人は多いだろう。

特に僕たちの世代は背筋が震えたはずである。

忘れていた何かに火がついたような感じ。

高校生の頃、放課後に流れていたあの風景がプレイバックしたような熱を

SNS上で感じた。

 

そんなハイスタンダードが、来月新しいアルバムを発表する。

きっとたくさんの人が待ち望んでいただろう。

そして、再生するだろう。

あの時、ハイスタを恥ずかしく思った同級生たちはどんな気持ちで聴くのだろう。

再ブームと思い、きっと興奮しながら聴くだろう。

そう思う。

でも、ハイスタは何も変わっていない。

MAKING THE ROADはいまだってSTAY GOLDしている。

 

だから、ブームなんてものはろくなものじゃない。

恥ずかしいのはブームに惑わされている私たちじゃないか。

 

 

 

 

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日本酒がずらっと並ぶお店だった。

酒をほとんど飲まないため、銘柄と産地だけを見て、楽しんだ。

珍しく、居酒屋に居た。

 

食事もおおかた終わるころに、話題はストレスについて移行した。

ストレス、貯めてません?酒も飲まないんじゃ、疲れるでしょう。

そう言われて、いやいや、なんて答えていたら、

ストレス解消法について各々話すことになった。

 

そういえば、ストレスがない。

いろいろなものがストレスにならないのだ。

それは、それで寂しいことだ、と思う。

すべてを諦めているように見えるからだ。

では、何をしている時に気持ちが落ち着くか思い返してみる。

 

夏野菜で作る「だし」という料理を作るときと

毎日着替えてばかりいるTシャツを洗濯し、干しているときだと

わかった

 

「だし」は、とにかく野菜を細かく切るのがよい。

楽しいというより、無心になれるのだ。

麺つゆを入れて、しばらくして、野菜から汁が出てくるのも、よい。

洗濯は汚れをとるのがよい。

着替えから、洗濯、干し、畳み、まで全部気持ちがよい。

 

 

なんてことをドキドキしながら話したら、

料理と洗濯なんて、ストレス貯まるだけじゃーん、で終わった。

 

わかってくれないよなぁ。

歩み寄ってくれないよなぁ。

あ、ストレスじゃないか。

 

 

 

 

 

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毎月1日と15日にコラムを更新している。

815日のコラムにいつか戦争について書こうと決めていた。

 

815日は終戦の日だ。

お盆が近づくにつれ、さまざまなところで戦争について話を聞く。

風化させないために、変わらない事実を残すために。

今年は731部隊とインパール作戦について特集したNHKスペシャルを観た。

 

731部隊のことは高校の授業で世界史の先生に教わった。

黒い太陽という映画をみんなで観た。

驚愕した。

しばらく、というか、今でも鮮明に映画が眼に焼き付いている。

インパール作戦については、その詳細をこの夏初めて知った。

 

どちらも眼を伏せたくなるくらいの内容だった。

すでに知っていることもあったが、

初めて気づくこともあった。

 

 

たとえば、

今でも日本の歌をうたえる方。

日本兵と話した笑い話を語る方。

戦争とはいえど、歴史の教科書では教えてくれない

小さな、小さな、やり取りがやっぱりあったんだなぁと思った。

その一方で、

日本軍の中で起きていた理不尽な命令、

お金のやり取り、

といったものもいくつか知った。

教科書には載らない事実だが、

教科書に載ることがすべてではない。

どれもすごく興味深かった。

やっぱり、観てよかった。知ることができてよかった。

 

 

そして、今の日本も変わらないところがあると思った。

すごく近いところで同じようなことが起きている。

変わっていないところが、ある。

 

そう思ったら、

夏が、

蝉の声が、

去年とは違う景色に映ってみえた。

 

 

 

 

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夏に怪我をした足指が再び化膿し
ここ最近は病院通いであった
祖父と同じ名前の外科の先生はズバズバと言葉を発する人で
一見乱暴に見えるが、そのとおり治療についても荒療治である
ただ、たまに会話に見える気遣いや言葉遣い、包帯の巻き方を見ると
ただ単純なそれではないと思え、どっぷり信頼し身を委ねている

病院へ向かう曲がり角に昔ながらのスーパーマーケットがあって
その横に自動販売機が屋根の下に並んでいるのだが
いつも、夕方通るたびに
そこのベンチでお爺さんたちが飲み会をしている
スーパーで焼き鳥やら、レンコンやらを買い、
ワンカップと缶ビールで毎日宴がおこなわれているのだ
近所迷惑には変わりないが
限られた中で、すれすれのところで集会を楽しんでいる様には
なんだか微笑みを感じてしまうのだった

びっこをひきながら痛い治療に向かう憂鬱を
そう感じさせなかったのは
きっとあの宴があったからだ、と思う
雨の日も、薄暗くなった時も
来る日も来る日も
おこなわれている宴。あぁよかった
救われた気持ちになった

それにしても
あの人たちはいつも何時まで呑んでいるのだろう

 

 

※このコラムは2008年11月16日のyuki-s think tankに掲載したものを加筆したものです。

 

 

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しょうが焼き

 

小さいころ、豚のしょうが焼きにマヨネーズに付けて食べるのが好きだった。

マヨネーズは一緒に盛られたキャベツのためのもの。

しかも、付けるなんて身体に悪そうじゃないか。

付けたいと言えば、怒られるに決まっている。

お肉にマヨネーズを付けるのは、だから、親にばれないようにそっとおこなっていた。

 

しょうが焼きは好物のひとつで、

家を出てからは、帰省するたびに食卓にあがる食べ物だった。

ある年の夏に帰省したところ、その日もしょうが焼きが用意されていた。

しかも、プレートにマヨネーズが盛られているではないか。

 

え、と思わず漏らすと、

好きでしょう、付けるのが、と母。

すべてお見通しだったわけだ。

そう言われた時の恥かしさったら、ない。

しかも、マヨネーズを付けて食べることは、身体に良いはずがない。

 

 

私はそれ以降「やさしさ」について考えている。

マヨネーズを盛りたい母の気持ちもわかる。

子を持ったから、余計わかるのだ。

でも、それは「やさしさ」ではない。

 

やさしさは難しい。

 

 

 

 

 

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