2012/05

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みそ汁をお椀によそる。
中途半端な量だったので
台所で少し飲み、あまさず注ぎいれる。
なみなみ入ったみそ汁を運ぶのは危ない。
慎重に歩くものの、
やはり波が立ち、親指に熱い汁がかかってしまう。
刺すような熱さ。
ばらまくことはなかったが、軽いやけどを負うことになった

お盆が欲しい。

ひたひたと氷で冷やしながら、そう考えたのだった
「欲しい」ものが「必要」と相俟った瞬間の強さといったら!
地下鉄で終点まで行き、道具街へ行くこととした。


ある、ある。
業務用から、和食用、茶菓子用、安価なものから骨董品まで。
茶碗が4つ並ぶくらいのもので、なるべく古いものがよかった。
そもそも骨董には不明であるので、そんな高価なものはいらない。
みそ汁をこぼしてもへっちゃら、ガシガシ洗えて、見た目も味わいあるもの。
そして、安い、ということ。
あるのだろうか、、

が、あったのだ。
何件か見ているうちに、とても雰囲気のよいお店と出会う。
この、雰囲気がよい、という感覚。少々人と違うかもしれない。
所謂、おしゃれなお店ではないのだが。
店員さんのやわらかいアドバイスを頂きながら
レジの前に山積みされているそれらを手にとってみる。

いくつか眺めながらも、心はその中の一つに絞っていた。
上述のツボを抑えた、手書きの菊が描かれたもの。

塗装が剥がれ、傷もついているが、何のその!
古道具よ、来てくれてありがとう。


こうやって生活をつくっていくのは楽しい。









JUGEMテーマ:料理


いつも練習しているスタジオが平塚にある、と言うと

一緒にお昼を食べていた向かいの方が、それなら、とおすすめのご飯屋さんを教えてくれた

その方は平塚に生まれ育った方で、今も同じ家に住んでかれこれ60年になる

そこのパン屋が美味しいよ、ここのラーメンは個性的な味だよ、と

醤油とソースの瓶を使って丁寧に場所を教えてくれた

 

そういえば

去年の夏に呼んでいただいたホームパーティでも同じようなことがあった

話を聞くと近所の魚屋さんで刺身を頼み、

近くのおいしい惣菜屋さんでおにぎりを買ってきて

宴は成り立っていた

 

そう

みんな、近所に馴染みの店があるのだ

パンならあそこよりここのほうが美味しい

あのお店に行くならココアを飲む、なんていう情報を

みんな持ち合わせている

胸を張って、ここが好きなんだと言えるその強さが良いと思う

誰にもそんな意気込みはないと思うし、

もちろん日々の限られた世界の中での話にはあるが

そもそも人が生活するのにそんなに多くの人や町と繋がっていなくてよいものだ

それよりもそこに見えるコミュニティと会話の

力強さとわかりやすさと言ったら!

 

そういうお店を持っていたいものだし

そういう生活のほうが魅力的だ、と思う





JUGEMテーマ:日常
 


年賀状の話である

 

今年もたくさんの年賀状をいただく
思えば、小学校の頃は冬休みの宿題だった
寒いクリスマスの時期に、部屋で年賀状を書いていた
いつしか書かなくなり、
(それは同時に来なくもなった、とも言える)
携帯電話を持つようになってからは
なおさら遠ざかってしまった
再び年賀状を書くようになったのは社会人になってからである

 

大先輩方からいただくそれはどれも能筆であり
まるで文字が舞っているようである
「謹賀新年」も、よりめでたい感じがする
御年60を越えられるとそんなふうに字が書けるものか
あと40年生きると字の貫禄もつくのだろうか、と
眺めながら考えていた

 

僕は仕事柄、昔の書類をよく引っぱり出してきて使う
そんな時いつも思うのはどれも字がきれいであること
字幕映画で見られるような読みやすい手書き文字で
整頓された文書が作られている

 

昭和から平成にかけて、日本人の生活は大きく変化したように思う
パソコンを手にするようになってから
いろんなものごとの時間が一気に縮まったと思う
それはとても便利で良いことだと思うが
やっぱり字を書く機会が減っている気がする
20年前まで、人は毎日たくさんの字を書いてきた
文明が入れ替わるということは
同時に失われていくものもあるということである

 

このままいくと60歳の僕は達筆な年賀状が書けない
さぁ、どうする
それとも、年賀状もパソコンで作っているのだろうか

 


初出 20102月発行zine「でこぼこのカレンダー」より。

 


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テーマ:手紙(葉書、年賀状、絵手紙、暑中見舞い、寒中見舞い)
 

 

 


 スーパーで買い物をしていると館内放送が流れる

「商品包装でお待ちの、オオツキケンヂさまー。1階カウンターまでお越しください」

レジで並んでいた僕は、ドキドキする。
え、あの大槻ケンヂ がこんな田舎町に!?筋肉少女帯が!?

会って、サインをお願いするでも、握手を求めるわけでもないが
こんな神奈川の田舎町のスーパーで買い物しているのであれば
そんな氏を見てみたいものである
早々と会計を済まし、1階カウンターを目指す

幸運にも、まだ本人は到着していなかった。
横の傘コーナーで待ち伏せをしていると
そこに現れたのは,寝癖がばっちり決まった学ラン姿の高校生であった
もちろん、顔にヒビは入っていない。

わかっていたようなものだが、
ほんのり残念な気持ちになり、その場を立ち去ることにする
彼は桜柄のラッピングがされた箱を受け取っていた

あぁ、もう春なんだなぁ、と思った出来事。







JUGEMテーマ:花のある暮らし


予てより、右あごのヒゲの伸びが早い

疲れているのかなぁ

左向いて寝ているからかなぁ

と、適当に考えていたのだが

ある日の夜、なんとなく顔を触っていると

生え方が左と違うことに気付く

 

伊藤博文のお札のように

ヒゲは左右正しく、立派に伸びていくものだと勝手に思っていたが

僕のそれは右耳の下から左耳に向かって一方方向に伸びている

イワシが群れをなして大海原をかけていくかのように。

 

右あごのヒゲの伸びが早いのは

その進行方向に添って刃が向けられていたからで

15年間、上のほうの毛だけを刈り取り

見逃し続けていたわけである
あげく、左向いて寝てるからなぁ、なんて言っているのだから

なんという無頓着さ加減である

 

ヒゲを剃り始めてかなりの時間が経つのだが

剃り方を変えたがために、右あごはカミソリ負けをし

なんともナイーブな日々を過ごしている

 

まだまだ世の中、知らないことが多いものだ

 




JUGEMテーマ:お風呂
 


顧問をしている部活動の追いコンに呼んでもらう。

普段は、式ともなれば部員全員が正装し
厳格なる部長と司会のもとで、きびきびとすすんでいくのだが
追いだしコンパだけは、和気あいあいと、みな普段の顔で参加をする

日中は部員全員をチーム分けし、トーナメント大会をおこなったため
この日の式は結果発表から始った。

記念品贈呈を終え
卒業する4年生一人ひとりが一言ずつ挨拶をする
この日を幸せに感じている子
辞めそうになった子
たくさん飲まされてた子
辞めて、また戻ってきた子
まだ進路が決まっていない子

一人ひとりに部活動への思いはあるのだろうが
みんなさみしい、と口を合わせていた
最後に記念写真をして、式は終了。
その後、会は3次会まで続いたそうである


帰宅後、布団のなかで
僕は、彼らが何をさみしく思っているのか考えてみた

あったりまえだが、部活動という組織、である

同じメンバーで同じ時間を共有し
共に活動することは、今後どんどん難しくなっていくだろう
バドミントンを続けることはできるし、もちろん辞めることだってできるが
なにはともあれ
組織はいったん解散になるわけである
それは不可抗力である


音楽を辞めたこともないし、辞める理由もない僕には
彼らの涙がとても重く感じるのであった



  
JUGEMテーマ:入園・卒園・入学・卒業


年末に大風邪をひき、

見送っていたお墓参りにやっと行けたところである

 

なるべくお墓参りには一人で行く

逢いにいく人が飲みたいだろう飲み物を買っていって

身の回りのことをひとしきり報告をする

その後で一緒に一服するのだが

夏にはサイダーを買っていったり、
冬には缶コーヒーやポタージュを買うこともある

時間ができたときにすうっと行くので

だいたいお線香を持ち合わせていない。

 

墓誌を眺めていると

祖父が亡くなってこんなに経っているとは思わず、びっくりした

平成○○年、と記載されているのはなんとも現実味があるのだが

自分と祖父との心による対話時間を考えると、

数字の持つ無機質さに違和感を感じる。

スカイツリーも、去年の震災も、祖父は経験していないのだ

あったりまえなのだが、

楽しいことも、辛いことも、寒いことも、気持ちよいことも

生きているから得られることなのだ、と思った

もちろん祖父は全うしたのだが。

 

生きることの力強さと、義務を、
再確認できたのであった








JUGEMテーマ:手紙(葉書、年賀状、絵手紙、暑中見舞い、寒中見舞い)


少し前になるが、山梨まで友人に逢いにいった

せっかくなので、と思い

八王子から季節限定のお座敷列車で行くことにする

このお座敷車両であるが

車両が畳張りの和室になっており

靴を脱ぎ、掘りごたつに入って車窓を眺められる構造であった

 

利用客は家族連れや現役を引退された方々が多く

低い敷居で区切られた席(部屋)でそれぞれ楽しんでいる。

僕の席は一車両一間の大部屋で

鉄道マニアやカップルなどの少人数グループが、思い思いの場所に席をとっていた

 

適当な席に腰を下ろすと

隣にいた男性が声をかけてきてくれた

その方は杉並に住んでいる方で、特殊車両に乗ってよく遊びに行くらしい

今日は甲府の温泉に日帰りで行くそうである

リュックにはカメラと時刻表があり、

とっても早いスピードで僕の乗り合わせを調べ始める。

「甲府で50分待ちますねぇ、それならいっそ外に出て○○でうどん食べたらどうですか?」

「この車両は、大月でだいぶ降りますから、そのあと写真をとればいいですよ。」

本物の鉄ちゃんだ、と驚く

持って行った小説は開かずに
甲府までいろんな旅先での思い出を語り合った

 

友人には無事逢え、雪が降りそうな町を甲府まで送ってくれた

信玄餅のお土産を持ちながら電車を待っているときに

午前中のあの人のアドバイスを思い出す

 

「その時間でしたら、帰りの電車はね、○○駅であえて急行を降りるんですよ。
10分すると▽▽系がきますから。これはいいですよ、前3両なら普通料金で
リクライニングに座れるんです」

 

時間に余裕があったので○○駅で降りてみると、その人もホームで電車を待っていた

話したら、私も乗りたくなってしまって。とのこと。

たった1度会っただけなのに、再会がなんともうれしく

気を許したのかビールを飲みながら二人でリクライニングに座った

 

電車、おもしろいですよー

赤くなった彼の顔を見ながら、すてきだなぁと思った

自分で自分の生活を楽しくさせているなんて、なんとも正しいことではないか

 

好きこそものの上手なれ、と言うのであれば

好きなものはたくさんあったほうがいい、と思った

 








 

 


年末の大掃除の力も借り

ダンシャリ、なる行為に踏み出すことができた

ようは、片付けである

 

知人によると、それは

迷ったら捨てろ、一年使わなかったなら捨てろ、という姿勢であり

最初はなかなか踏みだせなかったのだが

ある言葉がスイッチになり、最後は快感まで覚える潔さとなった

 

驚いたのが、物の劣化を見抜く力の無さ、である

どうやら僕は購入時の興奮をずっと持ち続けているらしく

ずっと新鮮な気持ちでそのものを愛している、、と言えばきれいに聞こえるが

いつまでもオンボロを使っていると言ってもよい

たとえば、袖がビリビリになっても着ていたスウェット、など

みっともない部類にそれは入ろう

見抜けない力、というのは何事にも言える

ことに、身に近ければ近いほど、その感覚は鈍ってしまう

 

このダンシャリ、震災時には多くの人が困惑することにもなった

人はものをどれだけ持ったらいいのか。

 


 

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あけましておめでとうございます。

今年一年が皆さんにとって素晴らしい一年になりますよう願っています

 

「奇跡のアンサンブル」で歌いおさめたのですが

12月30・31日にリンコロで行われた「除夜の歌」で

3つ歌をうたわせていただいたのでした。

リンコロの皆さん、会場に来られた皆さん、ありがとうございました。

108個の歌が響けば、108個の思いがそこにはあり

もっと数多の心に届いていったはず。

一人一人の繰り返しが毎日を作っているんだな、と再確認できた一夜でした

 

 

今年の目標は「こつこつと」とします。

 

今年もよろしくお願いいたします。








JUGEMテーマ:新年の挨拶 明けましておめでとうございます
 


先日おこなわれたバンド編成ライブ(12/11「奇跡のアンサンブル」)におけるアンケートで、
歌詞を載せてほしい、とリクエストをいただきました。
今回はその中から2曲掲載させていただきます。
どちらもタイプの違う曲なので、それぞれにリクエストをいただけたこと、嬉しかったです。

ありがとう。



メガネ

 

生まれてから二十数年 この目と共に過ごし 

いろんなもの見つめてきた

10年がたつころ僕の両目は疲れてきて

メガネ越しに世界を眺めてきた

 

昔見えていたものが見えなくなった 僕の知らないところで消えていく

子供の頃の裸の目で僕は もう一度夕日が見たい

なくしてから 気づいたけれど

 

昨日初めて気づいたよ お風呂場が汚いと 

外しているから わからなかったけど

かみそりの刃もずいぶんボロボロになったから 
新しい刃に変えてみようかな

 

昔見えていたものが見えなくなった 僕の知らないところで消えていく

さえぎることない裸の目で僕は もう一度朝日が見たい

なくしてから 気づいたけれど

 

昔見えていたものが見えなくなった 僕の知らないところで消えていく

子供の頃の裸の目で僕は もう一度あなたが見たい

なくしてから 気づいたけれど

 

詞:勝又勇旭 




風邪をひく

 

風邪をひいて38℃の熱が出ても

隣で看病してくれる人がいる

いつもよりも2℃上がった僕の体を

隣で看病してくれる人がいる

幸せなこと

 

僕らの住む地球では海水の温度が上がって

君には看病してくれるすてきな友人はいるのかい

僕でよかったら力になるぜ

 

立ち上がっても2m無いちっぽけな僕には

顕微鏡で見つけられるくらいのウイルスがいて

いつもよりも2℃上がった君の体には

数えられないくらいたくさんのウイルスがいる

知らないうちに

 

僕らの住む地球では海水の温度が上がって

君には看病してくれるすてきな彼女はいるのかい

僕でよかったら力になるぜ

 

忘れちゃいけないよ 僕もこの星の人

 

僕らに今できること 考えてみてよ

とりあえず風邪を治して それからちょっと考えてみるよ

僕でよかったら力になるぜ

 


詞:勝又勇旭 







JUGEMテーマ:お気に入り